Moto Singles 1980-1989

佐野元春 Moto Singles 1980-1989專輯

33.水の中のグラジオラス

作詞:佐野元春
作曲:佐野元春

形のくずれた窓辺に
流れてゆく風
君の涙が僕には見えていないかい?
水の中のグラジオラスのように

たどりつくならば
砂丘まで
青い空も白い雲も
あの日のことだけが今でも

夏のまぶしい光に
泳ぎ疲れて風
君の「さよなら」が僕には
聞こえてないかい?
水の中のグラジオラスのように

あぁ、どうしてラブソングは
乾いたカスタネットの音しか奏でないのか?
肉体を枕にして
それはまるで
ひび割れた骨がぶつかりあっているようだ。
おれはおれたちの時代に
しがみついているモラルのハンマーを憎む。
その幻影にとまどいながら
ベルベットの雨、
絶望の降りしきる夜、
君は孔雀のように羽をひろげる。
この世界で無残に
壊れたものを再び壊しながら。